この記事には『汝、星のごとく』のネタバレを含みます。
まだ読んでいない人は以下の記事を先に読んでくださいね。
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『汝、星のごとく』は果たして櫂が書いた作品、そのものなのでしょうか?
※注)本記事はいち読者としての主観を記したものであり、確実性を担保するものではありません。
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『汝、星のごとく』の意味とは?
エピローグ、暁海が二階堂絵里から送られた封筒を開ける。
封筒の中には櫂の書いた小説が入れられており、そのタイトルには、
汝、星のごとく
『汝、星のごとく』より引用
と書かれています。
物語中で書かれた櫂の小説と、私たちが現実世界で読む小説と同じタイトルであることから、
(現実世界での)小説は櫂が書いたものなの?
と疑問に思うのではないでしょうか?
まずはタイトル『汝、星のごとく』の意味について深掘りしてみましょう。
そもそも「汝」「ごとく」ってどういう意味?
そもそも「汝」ってどういう意味なの?
そもそも「汝(なんじ)」とはどのような意味を持つのでしょうか?
おまえ。そなた。▽対称の人称代名詞。▽多く男性が同等または目下の者に対して用いる。
「weblio古語辞典」より引用
といった意味となります。
この解釈を正とすれば、汝とは「暁海」を指しているものと考えられるでしょう。
次に、「ごとく」について調べてみると、「○○のようだ」という意味となります。つまり、
という主張をタイトルで示したと考えられます。
では、櫂にとっての「星」とはどのような存在なのでしょうか?
櫂の小説『汝、星のごとく』の「星」は一体何を示す?
櫂にとっての星とは、恐怖・不安や喜びが混じりあう人生の中で、
と考えることができそうです。
櫂が抱える恐怖・不安の一例として、母親との関係性はもちろん、永久に尚人と作家活動ができない、といったものが挙げられます。
一方、櫂にとっての喜びは、作家として尚人とともに成功することを示すものと考えられます。
ジェットコースターのような起伏ある人生を歩む櫂にとって、暁海はいついかなる時も変わらないままでいてくれる。
暁海はまるで星のような、そんな遠くとも近くにいる存在であり、普遍的な安心をもたらしてくれる存在である。
ということをこの短いタイトルで刻んだのでしょう。
本当に望んでいるものは大きな成功ではなく、そばに居続けてくれる暁海の存在ということですね。
これまでの推察から、タイトルの『汝、星のごとく』というのは、
ということがわかります。
つまり、櫂にとって起伏のある人生にはうんざりしてい、どこか安心できる居場所を求めている。ということが伺えます。
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『汝、星のごとく』は櫂が書いた!その根拠とは?
結局のところ、物語の中で櫂の描いた『汝、星のごとく』と、私たちが読んでいる『汝、星のごとく』は同じものなのでしょうか?
実は、『汝、星のごとく』には「特装版」なるものが存在し、その表紙にはまさに暁海の言う、
迫りくる濃紺と黄昏の薔薇色が混じりあった空と海。
『汝、星のごとく』エピローグより引用
が描かれているのです。
今では特装版は、プレミアム価格になってしまったので表紙だけでも楽しんでみましょう。
そして、「汝」という文字の少し上の部分には、
その狭間にささやかに光る星がひとつ。
『汝、星のごとく』エピローグより引用
しっかり描かれているではないですか!!
これは暁海が小説を手にした時、最初に目にした表紙に描かれた情景そのものです。
さらには、表紙をよく見ると、その表紙には作者としての「Kai Aono」のサインも刻まれています。
内容を知っているだけに表紙を見るだけで泣けてきます。
白く抜かれたタイトルと著者名。
『汝、星のごとく』エピローグより引用
暁海が今ページをめくって読もうとしているのは、まさに、
と言えます。
迫りくる濃紺
が櫂にとっての「恐怖・不安」を示しているのに対して、
黄昏の薔薇色
は櫂にとって「漫画作家としての成功」を示しているものと仮定すれば、
その混沌とした世界の中で、唯一変わらずにささやかに光る星が「暁海」ということになるのでは、とも思えます。
そう信じて、2週目を読んでみれば新しい視線で楽しめるかもしれませんよ。
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記事まとめ
『汝、星のごとく』は特装版の表紙のような粋な計らいもあり、掘れば掘るほど楽しみが見出せる作品というのが嬉しいポイントです。
audibleから入りましたが、活字でも読みたくなり、ついつい本屋さんで買ってしまいました。
様々な角度から楽しめる『汝、星のごとく』ですが、audibleでまだ聴いたことない方は是非耳で楽しむということも試してみましょう!
新しい発見がありますよ。
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